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パーム油生産のサステナビリティを「土壌学」の視点で学ぶ~ウェビナーのお知らせ 12月7日(木)


12月5日は「世界土壌デー」です。これに合わせて、ジゾ研と協力関係にあるソリダリダード・ジャパンが12月7日に「土壌の健全性から考えるアブラヤシ栽培:持続可能なパーム油ウェビナー第2回」を開催し、代表の吉田もモデレーターを務める予定です。


この準備にあたり、講師の藤井一至さんの著書『大地の五億年 土とせめぎあう生きものたち』『土 地球最後のナゾ 100億人を養う土を求めて』を拝読しました。視点を変えると世界は全く違って見えるのだと学びがありました。


例えばインドネシアの急激な経済成長が始まった2000年代以前、ジャワ島は、高い人口密度と細分化された農地に起因する「農村の貧困」が大きな政策課題でした。これを解決するためにインドネシア政府は農外雇用の創出や農民を他島へ移住させるなどの政策を推進してきました。

 

一方、土壌学の視点でジャワ島を見ると、「土壌と水が豊かで、火山や河川のおかげで養分が補給され続けているから、食糧を生産できて人が増えた」のです。(ただし米を自給できるようになったのは灌漑整備や新品種導入などの緑の革命が進展した1980年代以降。)バングラデシュ、インドもしかり。逆に、ボルネオ島は、「土壌が米作に向かず、森林くらいしか使い道がない」ので植民地宗主国だったオランダも開発を進めなかったし、人口密度も低かった。


ところが2000年以降、ボルネオ島では、マレーシア領・インドネシア領共にアブラヤシの栽培が広がりました。企業によるプランテーション開発が中心ですが、小規模農民も陸稲やゴム・果樹などの栽培からアブラヤシに転換しています。大量の肥料を投入すれば収穫ができて、他の作物より「儲かる=経済的価値が生まれる」からです。けれども、アブラヤシが吸収しきれないほどの肥料をまくと、土壌が劣化し、流域河川をも富栄養化させてしまい、アブラヤシ栽培そのものが持続できなくなる可能性があります。


では、そもそも「土壌の豊かさ」とは何でしょうか。「土壌が劣化する」、「河川が富栄養化する」とはどういうメカニズムで起きているのでしょうか。それはグローバルな課題である気候変動などとどう関係しているのでしょうか。私たちが環境問題を語るとき、これらをきちんと理解しているでしょうか。「環境に優しい/悪い」を、曖昧なイメージだけで推進・反対していることはありませんか。


今回のウェビナーでは、藤井先生から土壌についての基礎的な知識をご講演いただいて理解を広げるともに、調査地のアブラヤシ生産地を事例としてサステナビリティについて議論を深めていきたいと考えています。どうぞ奮ってご参加ください。

(文責:吉田秀美)



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